チューリッヒで今度大きな演劇のフェスをやるらしいのですが、演劇だけだとなかなか若い人が来ないとかで、音楽もやるんですね。で、それにTim and Puma Mimiが呼ばれているそうです。それのプレスカンファレンスが朝からあり、二曲ほど演奏するということで行ってきました。
会場が凄くクラシックでいい感じのクラブ。クラブというかちょっとしたホールなんかもある。結構有名な人達がやるところらしい。
このプログラムの表紙にある「怪獣」は日本の怪獣がベースになっている?らしいのですが、どなたかご存知でしょうか。
ちゃんと載ってます。
主催者側が4人いて20人ほどのプレスにいろいろ説明。もちろん何を言っているのかわからないが、たまに日本がどうとか聞こえてくる。日本のグループも出演するんです。
チェルフィッチュ。おー。
スイス、日本以外にも、アメリカ、中国、あと南アフリカとか、いろんな国からの出演者。おもしろそう。
ボケっとパンフレットを見てると「トシ」と小声でTimさんに突っつかれる。演奏が始まるらしい。
Timさん所有のアコースティックギターを借りて二曲ほど。それなりにウケている。
終わった後、ちょっとした会食みたいになり、一口サイズの食べ物がトレイに載せられどんどん出てくる。そしてそれをウェイターさんがどんどん勧めてくる。調子にのって食べていると結構お腹いっぱいになってしまった。
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昼過ぎには終わり、この日は夜に集合してレコーディング、ということでそれまでフリーに。
recが午後からだと勘違いしていたので、特にどこかに行くプランを立てていない。
でもどうしよう?時間は6-7時間ある。一回アパートに帰っていろいろ調べたいところだけど、時間がもったいない。
というわけで、ぶっつけ?でベルンに行くことにする。
去年も来たので、街の散策は抜きにして一目散にバスで目的地を目指す。
パウル・クレー・センターです。
設計は
レンゾ・ピアノです。このもりっとした建物が少しずつ大きさを変えつつ並んでいるのですが、3つの建物をこのウネウネが貫いているんです。恐竜の骨格みたいでなかなか面白い。
「クレーとピカソ」という企画展をやってました。二人は同時代の画家なのですね。お互いのアトリエを訪ねたりしていたらしい。一般的なクレー/ピカソのイメージとは違う、意外な二人の側面っていうのが結構あり、「これはクレーだな。」と思ったらピカソだったり、その逆だったりというのが何度もあった。僕はクレーは結構好きだな、と思っていたのですが、僕の知っているクレーはほんの一部だったようです。
一番心に残ったのは
これでした。ピカソです。
クレーもいいのが沢山あった。あの人、音楽的な構成を使いますよね?なんかそんな気がしたのですが。
ショップで妻へのお土産を買う。ポストカードをいくつかチョイス。でも一番気に入ったピカソのやつがなくて残念。誰か見つけたら教えてください。
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外に出る。中途半端な時間。
ここの敷地は結構広くて、美術館の建物以外にも周遊路や彫刻公園なんかが。横にはクレーのお墓もあるらしい。
ベルンに来たからには
去年見れなかったクマさんたちも見たいのだが、時間的にはどちらか一方しか見れなさそう。
クマさんは捨てがたいが、折角ここまで来ているので、ここをぐるっと回ってみることにする。
まず墓参りに行ってみる。歩いてすぐのところにある。何やら普通のお墓という感じではない。
これは写真撮っておこう、とカバンをみると、カメラがない。
え?さっき外観撮ったよね??
どこかで落としたのだろうか・・・。道のりを必死に思い出す。でもひょっとして落としたらもう駄目かもしれない・・と思うが、もちろん探す。来た道をそのまま戻る。が、落ちてはいない。
美術館の中かな?でも館内撮影禁止でカメラは出してないしな・・。どこだろう?
駄目元でチケット売り場に行き、カメラを落としたのですが、と聞いてみると、
「あーあなたね」という感じ。何やら届いている様子。
これかしら、と出してくれたカメラはまさに僕のやつでした。
よかったー、と心底ホッとする。どこにあったのですが?と聞くと、チケット売り場に置き忘れていたらしい。
そっか!外観を撮影して、カメラを手に持ったままチケット売り場に行き、財布を出すときにカメラをカウンターに置いて、そのままにしてしまったのだろう。
とりあえずカメラがあって良かったが、大分時間を無駄にしてしまった。
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急いでお墓のところに戻る。
入り口のところに解説が書いてある。よく読むと、これは墓ではないっぽい。
(帰ってから調べたんですが、よくわかりませんでした。クレーの「ウンクライヒから中国への道」という絵の一部を実現したものらしい。)
となりには一般の墓地が広がっている。
墓地に勝手に入るのも気が引けるが、出入りは自由なようだ。ちょっと失礼して中を見せてもらう。
芝生の上にこじんまりとした墓石が並んでいて、なかなか可愛らしい。お墓にも文化の差って凄く出るなー、なんて思ってよくよく見てみると、「1991-1992」なんて刻まれていたりする。他のも凄く短い人生のものばかり。
その一角はおそらく早くに亡くなった子供達のゾーンだったのだ。
最近妻が妊娠したばかりで、しかも長いこと不妊治療を続けた上でできた子で、さらにまだ安定期までは安静にしとかないといけなかったりして。子を思う親の気持ち、とはよく言われる言い回しですが、その意味が本当にわかるのは、やはり子供を授かってからなんですね。
その気持ちが今はわかるから、つらい。
お墓がまた悲しみを背負っている感じではなく、子供らしい、可愛いデザインのものが多く、それがまた逆につらい。ほとんど泣きそうになってしまう。妻がいたら泣いていたかもしれない。
もの凄く当然のことながら、生きているということは、それだけでとても価値のあることなのだ。
その隣にクレーのお墓はありました。
花に囲まれてる結構大きな墓なんだけど、こちらはなんだか幸せな感じがした。少しホッとする。
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バスに乗って駅に戻る。バスの通り道にクマ園はあるので、バスから一目見ればいっか、と思ってたのですが、クマ園前のバス停に停まったとき、ついつい降りてしまう。暑い中走ってクマを目指す(どんだけ好きなんだって話ですよね)。
クマ園、ちゃんと新しくなって完成してました!敷地も随分広くなったし、水で泳げるようにもなっている。斜面を利用して作られており、その周りをぐるっと歩けるようになっている。
まずは上からみると、お、いた!下の方で泳いでる!しかも子連れだ!!人が沢山集まってる!
去年と同じくアイスを食べつつ、
強い日差しの中、階段をてくてく降りる。
川沿い。町並みが相変わらず美しい。
先ほどの場所に行くと、あれ。もういない。
上を見ると、一目散に上を目指して駆け上がるクマ三頭(うち二頭子グマ)。
どうもエサの時間らしい。一応望遠で撮ってみる。
これ、子グマなんですけどね。ちょっとわかりづらい。
近くで見たいので、あきらめきれずにもう一度階段を駆け上がると、今度はまったく姿が見えなくなってしまった。残念。でもちょっと見れたからいいや。子グマ可愛かった。
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電車でチューリッヒに戻る。
Rote Fabrikに行く。待ち合わせの時間にはぎりぎり間に合った。
まず夕飯。
ラザーニャ。おいしい。
食後アトリエに行き、午前中にやったアコースティックな感じでレコーディング。
手拍子など入れる。