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[swiss日記0806] 22日目:バーゼル、チューリッヒ

ライブ前、最後の観光。
バーゼルは以前、サッカーの中田(ヒデじゃないよ)がチームに所属してましたよね。
それで名前は知っていたのですが、どんな街かと言うと、これが結構モダンな感じ。
有名建築家の設計した建物が点在している。

マリオ・ボッタとかね。



横目に見つつ、最初の目的地へ。



バーゼル市立美術館
ここでゴッホの風景画展をやっていたので是非来たかったのです。

館内の案内によると二階でやっているらしい。
そこでは、ゴッホと同時代の有名画家が紹介されていて、彼らの風景画が沢山おいてある。
同じ風景画でも人によってテイストの違いがあって、なかなか興味深い。
合間にポツリとゴッホのものも置いてある。

・・・ゴッホ、これだけ?

しばらく見て回ったものの、ゴッホは数点しかなくて、あとはみんな違う人のだった。

あ、ひょっとして「ゴッホの仲間達展」みたいなのだったのかも!
と思うが、いやいやそんなはずは・・・、と思い階段まで戻ると、どうも三階に続いているらしい。

階段を上がると・・・。ありました。本編がしっかり始まってます。
沢山の人で賑わっています。

ゴッホが住んだ街を時系列に追いながらその変遷を見るという趣旨。

初期の風景画はこれといって特徴がない(言われれば、あー確かにちょっとゴッホっぽい?っていうレベル)のですが、これが少しずつ変化していく。

まず奥行きがなくなって平面的になり、パースがおかしくなり、色彩がおかしくなり、最後には画面全体がうねってくる。

確かに全部風景画なんだけど、そこに書かれているのは心の風景、なんでしょうね。
最後の方は鬼気迫る感じで、なんだか得体の知れない何かが渦を巻いている感じ。
質量ともに圧倒され、へとへとになって美術館を出る。
観て良かった。高かったけど・・・。

その後バスに乗って、シャウラガーへ。



でかくて収まらない。
これはハーツォーク & デュ・ミューロン(ヘルツォーク&ド・ムーロン)。

美術館だけど、美術館にあらず、というここの秘密はいったい。

やっていた展示がおかしくて、「バーゼル美術館でゴッホ展をやっている間、代わりに外された絵画を一同に集め、自分達のコレクションとともに、あるテーマに沿って並べ替えたもの」でした。

すごく伝統的な絵画の横に、いかにも現代アートなインスタレーションがあったり。
組み合わせが面白い。
チューリッヒで観たKatharina Fritschさんのネズミのやつが強烈。

内観は撮影禁止で撮れなかったので、妻のために内観のわかるポストカードセットを購入。

チューリッヒに戻った後、さらにkunsthalle zurichへ。
おとといチェックしてたPhilippe Parrenoさんのやつ。

エントランスに「the boy from mars」と書いたネオン。
なんのこっちゃ?と思いつつ中へ。
部屋が縦に5-6室あり、その中に1-2点の作品。



こんな感じ。
天井の風船はポンピドゥーにもあったんだけど、あれより気持ち悪い。

最後の部屋まで行くと、そこにはやはりスクリーンが。
これがまた独特の時間感覚を持った、不思議な映像で、妙に叙情的だった。
で、これのタイトルが「the boy from mars」だったんですね。なるほど。

家に戻るとDJのBeniが夕飯を作ってくれると言う。
彼は実は本業がコックさんなんですね。
本場ハンブルグのハンバーグ(!)を作ってくれました。



パン粉とかは使わず、ハーブやスパイスはたっぷり。
フライパンにかなり大量の油を入れ、半ば揚げ焼きのような形で煮込む。
それをトマトソースで頂くのですが、かなりずっしりとしていて食べごたえがあった。
もちろん、超うまかったですよ。
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[swiss日記0805] 21日目:チューリッヒ

この日は全体練習。

今回のライブにはDJが入るのですが、その彼がハンブルグからやってくる。
tim & puma mimi、僕、ドラムのマルセロ、DJ beni、というメンツ。
一時間以上あるセットなので、いろいろと練習。

途中、みんなの休憩がてら「とおりゃんせ」を僕とmimiさんの二人でやることになっており、それも練習。これはtimさんが京都に行った時、交差点で流れていて、なんて暗い曲なんだ!と思ったのがきっかけらしい。確かに暗いよね。

[swiss日記0804] 20日目:チューリッヒ

いろいろな土地に行ったけども、肝心のチューリッヒ観光がまだ。

というわけで、この日は一日チューリッヒ観光。
timさんの自転車を借りて市内を巡る。



いい天気。気持ちよい。
結構栄えている駅前の通りを抜けて、近くの教会を二軒まわる。
シャガールのステンドグラスがあって!それはとても良かった。
ヨーロッパの僕が行った街はどこも必ず教会があって、いずれも立派で美しかったです。

自転車で湖沿いを南に下り、コルビュジェセンターへ。



外見だけでしたが、可愛らしかったです。
モデュロールの人型がおいてあったり。



こんな感じで、tim & puma mimiが週末に出演するチューリッヒ市のフェスのポスターが至る所に貼ってあります。イラストが可愛い。

その後チューリッヒ美術館へ。

ヨーロッパの美術館を沢山まわってつくづく思うのは、当然だけど歴史あるコレクションが膨大にあるということです。美術史っていうのはヨーロッパから始まっているのだ、ということを再認識。

この美術館も昔のコレクションが充実。
特にスイス人アーティストの作品をしっかり集めている。
ジャコメッティとかね。もちろん知らない人もたくさん。

近代、現代のものも結構あって、見応えがある。
特設展でやっていたKatharina Fritschさんのがかなり面白かった。



一色で塗りつぶされたオブジェとか、同じものを散々並べたりだとか、結構ミニマルな感じ。

こんな感じ

外に出ると見覚えのある絵が。



あ、ポンピドゥーで観た人だ!
近くでやっているらしい。またべつの日に見に行くことに。

この日の夕方もちょっと練習。
いよいよ本番も近い。

[swiss日記0803] 19日目:チューリッヒ

あああ、また空いてしまった。
頑張って書きます。

ヨーロッパ(っていうかフランス+スペイン)一人旅からチューリッヒに帰ってきたところからです。

--

朝6:30ぐらいに家についてしまう。

まだティムさんもプーマミミさんも寝ている時間帯なので、起こすのも忍びなく。
少し時間つぶしてから帰ろうかとも思うが、体が限界。
ドアベル鳴らしてミミさんに降りてきてもらう。すみません・・。

その後、シャワーを借り、部屋に戻り、ふとんに横になると、泥のように寝てしまう。

--

お昼過ぎに起床。

先に起きていた二人におみやげを渡す。
ガウディTシャツとガウディピアス。

ひとしきりガウディがいかに凄かったか話す。

ところで、週末はもうライブだ。

というわけで、この日の午後はちょっとだけ練習することに。

--

今回はティムさんの借りているスタジオで。



ここも何人かでシェアしているらしい。

これがとある工場の地下の一角にあるんですが、



わかりますか?
山積みになった「トラックの使用済み幌」です。

そうここは、なんとフライターグの工場!

独特のケミカル臭に若干めまいを覚えるが、なかなかお目にかかれない光景に、プチ「工場見学」気分。

--

■スイス豆知識 ふたたび

永世中立国らしいエピソード。

スイスは「核シェルター」の普及率が人口比100%を超えているそうです。
昔は各家庭に設置するよう義務づけられていたらしいです。
(現在も公共施設なんかには必ずあるらしい・・)

あと、新しく住民になる人には、核に汚染されたら飲んで下さい、といって薬(中和剤)が渡されるそうです。

「永世中立国」というと、平和の象徴みたいなイメージですが、それを維持するには強力な兵力やこういったシェルター施設なんかが必要なのかと思うと、なんだかやるせないですね。

今思えば、ティムさんスタジオも、マルセロのスタジオも頑丈な扉のある「地下室」だったなぁ。あれやっぱシェルターなのかなぁ。
文化的に有効利用されるなら、まぁいいか?
全ての武器を楽器に」じゃないけど、「全ての核シェルターをスタジオに」ですね。

[swiss日記0802] 18日目:チューリッヒ移動日

電車が出るのが昼なので、一件だけ見に行くことに。
カサ・バトリョという、これまたガウディ建築です。



美しいですねー。
骨っぽい?

バルセロナを訪れた人達のブログによると、ここが一番よかった!という声が多く、僕も中に入りたかったのですが、入場料が結構高く、所持金ギリギリだったので、断念。
外観だけ写真に納める。

少し時間が余ったので、街を少し歩く。地下鉄ばかり乗ってると街の様子はよくわからないですが、歩くとよく分かる。結局短い滞在だったので、少しでも街の空気を記憶しておきたかった。

サグラダ・ファミリアが見える公園で遅めの朝食。とはいってもまたサンドイッチ。
ぼんやりと小一時間過ごす。

--

いよいよサンツ駅へ。

余裕をもって早めの到着。
昨日のチケットカウンターのおじさんに言われたことを復習。

4本の電車を乗り継ぐのですが、

電車1:ただ駅に来て、そのまま乗れば良い。
電車2:予約が必要。その駅で予約をすること。
電車3:3ユーロかかる。
電車4:3ユーロかかる。

よし。
というわけで、最初の電車は時間になったら乗ればいいんだよな・・・・。

と思いつつよく見ると、自動改札機が設置してあり、電車に乗るにはどうやってもあそこを通らなくてはいけなさそうだ。
本当に大丈夫なの?と不安になる。
近づいて改札機をよく見てみるが、僕のユーレイルパスが通るとは思えない。

うーーーん。不安だ。
時間になって行ったら、おっと予約が必要だよ、なんて言われて乗れなかったらすごい困るしな・・、と思い、結局チケットカウンターにまた並ぶ。

この日は割とにこやかな女性。ホッとしつつ、パスを持っているのですが、この電車は予約いらないんですか?と聞くと、OK、ちょっと待ってね、と何かを入力し、発券している。
「これが必要です。お金はいりませんよ。」
と言って渡されたのは、パス保持者専用の、自動改札を通るための切符だった!!

いるんじゃん!
やっぱそのまま行ってたらダメだったってことじゃんかー。

あのおじさん、入るのに券は必要だよ、って一言言ってくれてもいいのに・・。

まぁ、とりあえずはいいや。聞いて良かった。

長旅になるので、水を買う。食料はパンが一切れしかないけど、次の駅で買えばいいや。
あと、暇つぶしになるものを探した所、「sudoku」と書かれているスペイン語のパズル本を発見!
スペイン語わからなくてもできるので、購入。

--

時間が来て、自動改札を無事通り、荷物チェックを受け、車内へ。
フランス国境の街まで行くのだけど、結構混んでいる。

海沿いを走るので、たまに地中海がちらちらと見える。
小さいビーチがいくつかあって、ヴァカンスな人達で賑わっている。

座席は二人掛けが向かい合うようなレイアウト。
僕の正面にはスペイン人らしき若いカップルが座っていて、新聞読んだり、携帯で話したり(こっちは車内での携帯使用はぜんぜんOKぽい)している。

しばらくして、読み終わった新聞を座席の間にはさんで、そのまま降りてしまった。

新聞いらないのかー。ちょっと読んでみようかな・・、と手に取ろうとすると、間に携帯が挟まってるじゃないですか!

あっ、と思うも既に遅し。電車は駅を出ていた。

どうしよう?
こういう場合って、なくした!って気づいた時点で、誰かに電話借りて自分の携帯にかけるよね?

っていうことは、そのうちかかってくるのか・・・。スペイン語で???
うーーーん・・・・。

しかたない。かかってきたら出よう。
その前に車掌が来たら渡そう。

と決めるが、落ち着かない。

ふと、3日前のテロのことが頭をよぎる。

携帯って、起爆に使われたりするよな・・・・。

と思い、ちょっとゾッとするが、携帯以外には新聞しかないので、いくらなんでも爆弾はないだろう、と言い聞かせる。

結局、目的の駅に到着するまで何事も起きず。そのまま降りる。

--

セルベールという駅に到着。

ここも海沿いのちょっとした避暑地みたいな所。
案外ホテルとかレストランとかが見える。

よし、まずは予約だ!と早足でチケットカウンターへ。

一番乗りで到着。ボンジュール、と言われ、もうフランス語圏に来ていることを知らされる。


えーと、この電車の予約がしたいのですが。
「予約いらないよ。」
え?
「時間になったら、そのまま乗ればいいから。」
あ、そうなんですか?(予約がいる、って言われてきたんだけどなー・・)

腑に落ちないまま、いいって言っているんだから大丈夫だろう、と覚悟を決め、一時間程駅で待つ。

水を補充。食料も買わないとなー、と思うが、何もない。
何かパンとかサンドイッチとか買おうと思ってたのが、それらしきものが全く見当たらない。

仕方がないので、自販機でオレオ(6枚入り)を購入。
約半日を、水(500ml)二本、オレオ、パン一切れ、でやりすごすことに。

何度も確認して電車に乗り込む。
確かに予約はいらなそうだ。
バルセロナのおじさんが言っていたことは連続して間違っていたことに。なんだかなー・・・。

ローカル線なので、1stクラスに乗り込む。
客は僕ともう一人ぐらい。
なかなかいい感じ。



水をちびちび飲みつつ、数独などやりながら時間をやり過ごす。



二時間程乗ったところで、お腹がすいてくる。
我慢、我慢・・と言い聞かせるが、いかんともしがたい。
あと、チューリッヒまで少なくとも半日ぐらいはある。

しかたない。

パンはとっておいて、オレオを「一時間に一枚」だけ食べることにする。
そうしたら、少なくとも6時間はもつ。


早速一枚。

うまい。

そして絶対的に足りない。


しかし、我慢する。

またパズル本に戻るが、時間が気になる。
時計をちらちら見つつ、早く一時間経たないかなーなどと思う。


ようやく一時間後、二枚目。

やはりうまい。

そして、圧倒的に足りない。


そこをまたこらえる。
するとどうだろう、急に食欲が収まってきた。

これなら大丈夫かも?むしろ今は何も食べたくないなー、といった案配で、夜中まで過ごし、あとはひたすら寝る。
シートがリクライニングしないので、結構しんどい体勢で寝る。


夜中3時過ぎに次の駅に到着。

こんな時間なのに、僕と同じような旅行客が10人程乗り換えを待っている。


小一時間待つ。
電車が早めに来ていたので、先に乗り込んでおく。
普通のスイスのローカル線だ。
っていうことは、ユーレイルパスで乗れるってことで、「3ユーロかかる」っていうのも外れたことになる。

結局次の電車も同様で、タダで乗れたので、あのバルセロナの親切なおじさんが教えてくれたのは、4本ともウソだったということに!!

なんなんだ。
単に知らなかったのだろうか。

朝方、ようやくお腹が空いてきたので、残りのパンを食べる。結局オレオは半分残ってしまった。

早朝6時ぐらいにチューリッヒ中央駅着。

ようやく帰ってきたぞーー・・・・・。
それにしても疲れた・・・・

でもとにかく無事に帰って来れてホッとする。
もうしばらく電車には乗りたくないなーと思いました。

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