2-2のつづきです。
金沢編、なかなか終わりませんね・・・。
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三味線後、しばらく主計町(かずえまち)を歩く。(上の写真)
狭い路地に古いお店が軒を連ねている。いい感じです。風情があります。
その後、
金沢蓄音機館へ。
特に蓄音機に興味があったわけではないのですが、実際に音を聴けるイベントをやっている、ということで参加してみました。
指定の時間に行くと、説明のお姉さんと僕ひとり。マンツーマンです。
解説が面白い。
へーっと思いながらメモをとる。蓄音機を発明したのはエジソン、とか、昔のレコードは
シェラックという虫からとれた材料でできている、とかね。
で、実際に当時の蓄音機でレコードをかけて音を聴かせてくれるんですが・・・。
これが、なんというか・・・。
言葉に詰まるような・・。
当然、音自体はものすごくローファイで、低域なんてほとんど聞こえないし、楽器の分離も悪いし、ノイズもひどいし、といった感じで現代的な「いい音」からはかけ離れているのですが・・・。
すごく心に響くんですよ。
なんとも。
もう、びっくりしてしまいました。
マンツーマンなのをいいことに、「すみません!」と手を上げてお姉さんの解説をさえぎり、「今かかっているレコードも当時のものなのですか?」「これは何処の国の音楽ですが?」などと質問すると、お姉さんはかなり焦った様子で、
「えええーーーと、これは、えー、イギリスですね?(笑顔)イギリスです!」
へーそうなんですかー。(うーーん、でもエジソンってアメリカ人じゃなかったっけ?と思いつつ)
「いや、アメリカです!失礼しました。アメリカです!(ひきつった笑顔)」
ああそうですよね?(ひきつった笑顔)
といったぎこちないコミュニケーションで、無駄にお姉さんにプレッシャーを与えてしまう。
その後お客さんが何人か来て、多少リラックスしたのか、お姉さんは僕に、
「先ほどから熱心にメモをとられていますが、学生さんですか?笑」
などと言ってました。いやー、学生には見えないと思うんだけどなぁ・・・。
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次に向かったのは
コニーズ・アイというオシャレ雑貨/インテリア/カフェです。
ここの2階がギャラリーになっていて、「
演奏家のいない演奏会」というのをやっていました。
こんな感じ。
奥に置いてある木の筒みたいなのが、
エムズシステムの波動スピーカー。
筒の左右から音が出るのですが、定位がはっきりせず、包み込むようなサウンド。これは結構不思議で面白い。
これ自体が楽器です、という売りなのですが、確かに木の鳴りがしてそれ自体が震えるようなサウンドでした。
先ほどの蓄音機との対比で言えば、ハイファイで、広がりがあって、締まりのある低域から伸びのある広域まで出る、豊かでいい音です。
でもね。
でもなんか物足りないんです。
さっきの蓄音機の感動はいずこへ、といった感じ。
どうしても比較してしまうんです。
なんかしらのメタファーっぽくなっちゃいますが、
技術の進歩とともに、私たちが失ったものは何でしょう?
おみやげにスリッパ買いました。
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