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hiroshimaを想う

Chim↑Pom展『広島!

vacant

広島の原爆ドーム上空に、小型飛行機で「ピカッ」という文字を描き、大問題→謝罪会見→展覧会中止、に追い込まれたチン↑ポムさん達の、その時展示予定だった作品2点を見てきました。

(騒動についてはいろんな所に書いてありますので、興味のある方は調べてみて下さい。)

--

例の新聞に載った写真を初めて見た時、僕がまず感じたのは嫌悪感でした。
こいつら、ふざけんな、と。
やっていいことと悪いことがあるだろう!と当たり前のことを思いました。

それと同時に、どうしようもなく彼らに興味が湧きました。
僕は彼らの作品を見たことがなかったので、過去の作品を検索してみると、まぁなんともふざけている、が、相当面白い。

youtubeのインタビューを見るとよくわかるのですが、作品を知らない良識のある大人なら「なんだよこいつら」と眉をひそめたくなるような連中です。



でも、こんな一見チャラい、普通の若者がアートを指向し、世の中をかき回すような作品を作っている、というのも事実です。
なんとなく沈滞ムードの世の中を変えていくのは、彼らのような異分子かもしれない、と俄然応援したくなりました。


が、広島の件は別です。

あの写真は作品ではなく、完成形は映像らしいので、それを観るまでは判断は保留としました。

--

前置きが長くなりました。

そんな経緯があって、展覧会に足を運んだわけです。
実際に観ないと何も言えんという思いがありました。

で、実際に観ました。

スクリーンには大きく原爆ドームが映っていて、その前を小学生の集団が楽しそうに横切っていきます。
空はこれ以上ないぐらいの快晴。

そこに小型飛行機が飛んできて、空に文字を描いていきます。

まず「ピ」の丸から。
綺麗にマルを描きます。(相当な飛行技術!と違う所で感心)

続いて「ヒ」の残りを。すこしずつ、慎重に描かれているようです。


この先、何が描かれるか、僕は知っているので、少し胸が苦しい。


青空に、飛行機が飛んできて、原爆を落としていく。
その様子を真下から直接観た人は、全員死んだはずだ。

つまり、原爆がどのように落ちてきて炸裂したのかは、誰にもわからないので想像するしかない。


それを、いやがおうにも、つきつける。


ところが、


ピカッの「ッ」が描かれる頃には、「ピ」の字はもう消えかかっていた。


なんということだろう。

そう、僕らがどんなに頑張ってリアルに原爆のことを想っても、吹けば飛ぶような、その程度のリアリティなのだ。


僕は、なんだか、何も言えなくなってしまった。
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