金沢滞在の初日は、まず
金沢21世紀美術へ。ずーっと行きたいと思っていたんですよねー。
周りがぐるりとガラスで覆われた円形の建物です。
無料で入れるスペースも結構あるし、開かれている印象があります。
屋外のオブジェで子供達が楽しんでいたりして。いいですね。
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妻がランチ(と展覧会)のチケットをプレゼントしてくれたので、まずレストランへ。
プレゼント用に特別にチケットを作ってくれたらしく、「チケットのお客様ですね?お待ちしておりました。」と笑顔で迎えてもらいました。
こんな感じ。
バイキングとパスタ一品、デザートにコーヒー。
おいしそうでしょ?
バイキングの皿がパレットの形をしていて、ちゃんと指を通す穴もあったり。やっぱり食器は白で統一だったり。
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食後、まず
コレクション展IIの方に。
「現代社会の価値観の変化や転換と呼応する先端的な作品を紹介」ということで、やっぱあるんすね?といった感じでデミアン・ハーストが。
これの人ですよ。
作品は
これです。「無題(バースデー・カード)」という作品。実物はかなり大きいです。光沢のあるピンクで塗りたくったハート。そこにはりついているのは、本物の蝶です。「人工的な生」に「生々しい死」を貼付けた上、それを「誕生の祝い」として観客に送りつける、という。徹底してんなー・・・と思う。
他のも面白かったですよ。
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その後、「
杉本博司 歴史の歴史」展へ。
杉本さんはまだ売れてない頃にニューヨークで古美術商をやっていて、商才があったのか最終的には美術館と商いするぐらいにまでなったそうなんですが、当時からずっとそういった古美術の収集をしていたんですね。それが最近では宇宙食とか解剖図とか「死者の書」とか「解体新書」とか、一見とりとめのないコレクションに広がっていて、それらをテーマごとに分類して展示しつつ、間に自分の作品が挟まる、という展示。
最初の部屋が化石とか土偶メインで、杉本さんの作品が見当たらない。
コレクションばかり?なんだか博物館のようだなー、あーこういうの苦手だなー・・・と思うが、何か違う。
中央に、縄文時代の巨大な石棒(
こういうのです。真ん中へんに出てきます。)が、1950年代の医療用ベッドに寝かしておいてある。つまり、これら化石・遺物群はただ単に置いてあるというわけではない、ことに気づく。
そこから先は圧倒されっぱなし。
全体で10部屋ぐらいに別れていて、8割がコレクションで残りが杉本さんの作品、といった感じなのですが、それらを歴史的・美術的価値に捕われず並列に眺め、自分の美意識で「歴史」を再構築する、という。
歴史的資料が多数でてくるので、意味合いを理解するのにある程度教養があるか試されてる、という気分になりますが、でも多分そんなことないんです。「もの」に込められたいろんな事物、例えば当時の文化、生活、思想、感情、などいろいろありますが、それらはその「もの」自体が雄弁に語っているのですから。むしろ教養的なところから離れてオープンな気持ちで見る、というか、感じる、方が理解できる気がします。
って、なんでもそうですけどね。
そんな感じでギュッと密度の詰まった展示でした。
なんか新しいもの見た、って気持ちになると同時に、どっさりと宿題を手渡されたような気分です。
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